2013年4月19日金曜日

MAN構築のすすめ(16:回線開通物語:ITproより)


日経BPのITProの記事に面白いものが載っていました。
通信回線を導入する際にどのように進めれるかということが説明されています、

松田次博 間違いだらけのネットワーク作り - 回線開通物語:ITpro

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20100621/349412/




興味のある方はぜひ読んでみてください。
特に新規のデータセンターで回線をスケジュール通りにインストールするにはそれなりの段取りが必要です。
一番問題になるのは必ずといっていいほど必要とされるNTT東日本、または西日本の回線です。特に新しいデータセンターの場合、自分たちの所有するフロアにまだ光ファイバーがひかれていないということもありえます。
データセンターによってはハンドホールから受けた光ファイバーを地下のMDF室などに収容し、そこからデータセンター事業者が敷設するインハウスのシングルモードファイバーインフラで接続するケースもあるようですが、これは稀なケースだと思います。
通常はNTTが回線のオーダーを受けてから、現地調査に赴き、必要なインフラを構築するための見積もりを行い想定される工事期間を割り出します。(長い場合で3ヶ月、ビルの引き込みに空きがないと6ヶ月程度かかる場合もあります。)

こういった事態を避けるにはどうしたらよいでしょうか?
一つ方法があります。BFLETS(普通のインターネットサービス)をとにかく申し込んでしまうことです。(以前、この方法についてはこのブログでも触れています)

重要なことは、申し込みをする際に、必ず御社の担当営業(NTT東、西、場合によってはNTTコムが営業担当している場合もあります。)に連絡し、サイトがデータセンタ用途で、今後回線需要があるので少なくとも24-40芯程度のPDをインストールしてもらうよう、交渉しなくてはなりません。なにも指示しないと、4-8芯程度の小型PDをインストールされてしまいます。最悪の場合、2芯(必要最低限)で済まされてしまうこともありえます。(通常、2芯のケーブルで渡す事は無いと思いますが)

とにかくこの辺りは周到に計画しなくてはなりません。
もしデータセンターの建物が新規の建築物件であれば、3-6ヶ月見ておかなくはならない場合もあります。(道路のハンドホール引渡しからビル内の工事、その後、ビルの地下からテナントエリアとして借りているフロアまでのケーブルの引き込み。)特に道路のマンホールから引き込む場合など、国道や都道、県道などの工事許可がおりないと、回線の引き込みができません。

とにかく大きなデータセンターのプロジェクトを抱えている場合は、半年くらいまえから周到に準備しましょう。

NTTの営業は、ある程度需要が見込めると判断すれば、その営業担当から地域会社(NTT東、または西)の工事部門に連絡し、40芯、あるいは100芯といったPDの導入を依頼し、調整してもらいます。
100芯程度のの場合、かなりの数量の回線見込みを伝えなくてはなりません。
例えばあなたの借りているデータセンタースペースが数百から数千ラック以上あり、想定される拠点数も20-30以上あればジャスティファイすることはそれほど難しいことではないでしょう。


問題はあまり回線需要が見込めない場合です。
最悪、16芯といった小さなPDをインストールされてしまいます。
問題は見込みを超えて芯線を使いきってしまった場合です。また振り出しにもどり、ケーブルを引き込みからPDをインストールするところまで手配しなくてはなりません。これはかなりストレスのたまる手順です。なぜかというと急ぎの回線導入案件があっても物理的に回線をインストールすることができないからです。
通常既設PDがあれば、1-2ヶ月で導入できるであろう回線が、ケーブルの追加導入から始めるとなると、場合によっては3ヶ月、最悪6ヶ月以上待たされます。
可能な限りDay Oneで大きめのPDを入れてもらうよう、交渉しましょう。

同様のことはKDDIや他の事業者にもいえます。
通信キャリアごとにケーブルを冗長化したい場合は御社の営業担当と相談し、ケーブルルート、必要な芯線数など、構成を事前に話し合いをして詰めておく必要があります。

<余談>

大きなデータセンター事業者であれば、言われなくても建築当初にこの辺りの調整はやっていることがありますが、自分が経験した例では、数百ラックあるDCに40CのPDが追加追加で3個横に並んで、自分が見に行った時、3つのPDすべてがほぼ満杯状態になっていた例があります。
これは当初の見込みが狂っている証拠ですね。大きいDCの場合、特に複数のテナントにラック貸をするような事業者は場合によっては契約する企業ごとに回線の足回りは必要ですから最低でも200C、余裕が有るなら400C、あるいはそれ以上のPDをデータセンターのメインの引き込みとして入れるべきなのですが、こういった担当者が不在のDCもあり、その場合は驚くほど貧弱な通信インフラしか無いDCもあります。
余談になってしまいましたがDCスペースを借り上げる場合、現地の下見をさせてくれると思いますが、かならずDCのメインのPD(PT)がどれくらいのキャパがあるのか確認しておきましょう。
契約してから回線が入れられないなどということになると悲惨です。(ケーブル引き込みから始めるとなるとそれなりに時間がかかることをよく心得ておきましょう。)



以上、回線開通のTipsでした。







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