2013年4月13日土曜日

MAN構築のすすめ(7:CWDMとDWDM)

光ファイバーを使った伝送にはいろいろあります。(TV,データ、ファイバーチャンネル等々)
一般企業では、放送局などどと違ってデジタルテレビ信号を流すことはないでしょうから、ここでは一般的に言うところのTCP/IPを使用したデータ通信を前提としてお話をします。

CWDM:
技術的なお話はここでは割愛します。簡単に言うと光の波長を20nm間隔の波長に分割し、それぞれの波長で通信を行う技術です。
電源を使用せずに波長を分割する装置を使用することで、1本の光ファイバーの中を複数の波長に情報を載せて運ぶことができます。
例としてCiscoのCWDMを紹介します。
http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/ifmodule/cwdm/prodlit/cwdm_ds.html

シスコの製品の場合、8つの色(波長)に分割し、それぞれのポートにその色に対応したSFPやGBICモジュールを差し込むことで最大8Gのデータ通信が行える製品です。
10Gは必要ないけど、それぞれのVLANを論理的に全く別のインターフェイスに載せて流したい場合には有効なソリューションです。
技術としては5年以上前に成熟している技術ですので、ダークファイバーの利用が盛んな米国では比較的よく使われたソリューションです。日本でも使われていますが、企業がダークファイバーを調達すること事態が日本ではポピュラーでないためあまり普及はしなかったようです。
似たような製品は日立や他のネットワーク機器ベンダーから多数発売されています。CWDMの仕様はITU-Tで規定されていますので、仕様はどのメーカのものもほぼ同じで、あとはSFPやGBICの仕様で伝送距離などが決まってきます。


DWDM:
DWDMはCWDMよりさらに細かく波長を分割して、更に高速な通信を行うことができます。DWDMといえば必ず伝送スイッチが必要ですが、シスコにはEWDMというハイブリッドのような製品も存在し、必ずしも伝送装置が必要かと言われるとそうでもない製品もありますが、一般的にDWDMといえば、ネットワークスイッチのような機器が使用され、値段も数百から数千万するようなものがほとんどです。
富士通、日立、Ciena(旧Nortel含む)、Adva、NTTなど、多くのメーカーが製品を発売しています。
データセンター間で40G,80G,FCなど、異なる帯域、異なるプロトコルを大きな帯域で流したい場合に有効ですが導入費用もそれになりに高いというのが現状です。
ですが100Gのモジュールが実用化したため、10Gのコンポーネントはこれからどんどん値下がりすることでしょう。

EWDM:
これはシスコのソリュションです、
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/modules/ps5455/product_data_sheet0900aecd806a1c36.html

伝送装置を介さずに、専用のDWDM Xenpakなどで大きな帯域を確保する機器です。
これの特徴はCWDMを混在させて、両方を同じダークファイバーの接続し、帯域を拡張できることです。ただし、DWDMのXenpakは伝送距離がCWDMのそれに比べると落ちるようですので、長距離には向いていません。シスコはこれを克服するためかエルビウムの光アンプもオプションで発売しています。
個人的には導入した実績はありませんので、御社でこのソリューションを導入したい場合はシスコに相談されることをおすすめします。
高いですがDWDM伝送装置のほうが昨今のデータセンター間接続には向いていると思います。

そうそう、肝心なことを忘れました。
DWDMやCWDMが使用する光の波長は全てITU-Tの規格で決まっています。異なるベンダーの機器を相互に接続することはないと負いますが、いちど使用する波長を参照されることをおすすめします。

なお、ダークファイバーをと調達する際、主に2つの波長で感度試験を行います。
 1310nm (通信事業者のT1やINS1500などのONUなどはこの波長を使うことが多いようです。)
 1550nm (主にDWDMはこの波長周辺を分割した波長を使用する、1550は代表的に使用される、というか試験でファイバーのパフォーマンスを調べるときに使われます。)


続く。


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