2013年4月18日木曜日

MAN構築のすすめ(15:いろいろな通信事業者、中空ケーブル編)

みなさんは町を歩いていて自分の頭の上にどれほど注意を払ったことがあるでしょう。最近は共同溝なるものが幹線道路には敷設されるようになり、町から電柱や電線が見えなくなっているので、そういえば電線見えなくなったなぁ、位に思っていらっしゃる方も多いかもしれません。

実は幹線の電線や通信ケーブルを地中化している反面、裏通りは今までどおり、電柱と電力線や通信ケーブルがひしめき合っているというのが現状ではないでしょうか。
(幹線を地中化しても、旧来の戸建て住宅やマンションは相変わらず地上から引き込む場合が多いため)

今回は様々な事業者の中空ケーブル(電柱を渡り歩いている通信ケーブル)をみてみる事にしましょう。
うちは東京23区から少し外れた三多摩地方と呼ばれる地域ですが、少し周辺を歩いただけで数多くの事業者のケーブルを見て取ることができます。
順をおって見ていくことにしましょう。



<NTTドコモ>
あまり目にすることのない架空ケーブルです。なぜかというとドコモはNTTグループのNTT東日本の光インフラを使うことが多いからです。事情はわかりませんが、空きがない等の理由で自社ファイバーを引いた可能性があります。


同じくドコモのファイバーをもう一枚。ケーブルにライムグリーンのスリーブが被せられていますね。このように事業者固有の色を使うことで、光ケーブルがどの事業者のものか区別しているようです。


<NTT東日本>
カーブミラーの上野ねずみ色のクロージャがそうです。もっともよく見かけるクロージャのタイプです。クロージャ本体にはNTTのロゴマークが入っています。スリーブの色は薄い青。
この電柱は、地中からの引き上げ用の配管もついていますね。道路の地下に太い幹線の光ファイバーが走っていて、通常、最寄りマンホールなどのハンドホールから分岐してこのように電柱上部に引き上げています。
尚、NTT東日本の場合、ケーブルタグは通常ついていません。その代わりクロージャボックス本体にNTTロゴが入っているため、事業者の判別が容易なためと思われます。



 右下にドコモのタグが見えます。上部にも中空クロージャが数個見えますが事業者不明です。おそらくKDDIではないかと思われます。(AU光にはKDDIのタグがついています)


<KDDI>
言わずと知れたKDDIのタグです。



以下の写真右手にも大きめの中空クロージャが見えます。おそらくKDDIのものと思われます。


<UCOM>
UCOMのタグが見て取れます。もともとはゆうせんという旧ゆうせん放送のインターネットインフラとしてスタートしていましたが、いまは光通信事業を売却してしまい、旧ゆうせんとは資本関係はないようです。



NTT東日本の小型中空クロージャ。8芯程度の引渡し用に使われていおるようです。


事業者不明
小型中空クロージャと、中型のクロージャが見て取れます。



同じく小型中空クロージャ。
スリーブの色からしてKDDIでしょうか。(赤イスリーブは旧パワードコムなどが使用)



またUCOMのタグです。



ドコモのタグが見えます。上の方はおそらくKDDI(AU光)?



またまたKDDIタグ。




事業者不明
左下はおそらくKDDIと思われます。右下は光ではなく同軸ケーブルテレビの分配器のようですね。




またまたKDDIでしょう。



またUCOM。


事業者不明。
中空で余ったケーブルを折り返しています。どこの事業者でしょう。NTTではあまりこういった工事事例はみかけません。



写真上はNTTのメタル中空クロージャ。
下のねずみ色はまたまたNTT東日本の小型クロージャ。



上にUSENと見えますが、現在はUCOMが事業を行なっている模様。
下の青いスリーブはNTT東のケーブルですね。



珍しく旧パワードコムのタグが見えます。(現在はKDDIに移管)
下のタグは光に反射して読み取り不明。


NTTとは異なる事業者の小型中空クロージャ。事業者不明。



またKDDIの中空ケーブル。



すでに事業を終了しているPHS事業者、ASTELのアンテナの残骸。
ASTELは東電の肝いりで始められましたが成功せず、PHS事業は結局たたむことになりました。
撤去の予算もないのでしょう。配線を切断したまま、東電の電柱に寂しく残されています。
原発事故を起こした東電としてはもう、こういったレガシーの残骸を撤去する余力もなさそうです。



<東京電力>
言わずと知れた東京電力のタグ。これは当初、東電がTEPCO光というブランドでインターネットサービスを提供していた頃に敷設された光ケーブルと思われます。



同じく東京電力のタグ。
電線に下半分が隠れて読み取れませんがタグには東京電力(株)光ネットワークカンパニーと書かれているようです。


またまたKDDI。


某、地元ケーブルテレビの無停電電源装置。富士通製ですね。ケーブルテレビの電力供給用のようです。


 またまたUCOM。



これは街でみかけたNTT東日本のクロージャ。破損したのでしょうか。蓋が閉まらないため、ビニールテープで止められていて、なかのパーツが見えてしまっています。酷い工事です。光ファイバーは一旦サービスを提供し始めると、クロージャーの入れ替えはサービス断を伴う工事となるため、仕方なくこのような処置をしているようです。
融着の場合、雨には強いとはいえ、これはちょっと頂けませんね。
NTT東日本が全般的に工事の品質が悪いとは思いませんが、それぞれの地域局にはそれぞれ契約工事業者が下り、たまたまレベルの低い工事業者が契約していると、このようないい加減な工事が行われるようです。雨や台風、鳥類などがいたずらしたりすることもありますからきこういうのは勘弁して欲しいですよね。



こんどはUCOMではなくJCOM(紛らわしい)
ちなみに赤と青のストライプのスリーブはKDDI。



最後は珍しいタグ。TITUS西東京。
現在はこの会社はJCOMに統合されています。



今回は見ることはありませんでしたが、都心部に行くとKVHとか、他の事業者のマンホールなどいも見かけることがあります。
この他、都心部ではNTTコミュニケーションズ、丸紅(旧グローバルアクセス)なども多くのファイバーインフラを引いています。
機会があれば取り上げて行きたいと思います。

以上。お粗末さまでした。
(撮影:筆者)

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