これはありがちなストーリーですが、ビル内でBFLETSや他社が借り上げているダークファイバー需要が多く、PDボックスの中に空き芯線がないという状況もありえます。
諦めるしかないでしょうか?
いいえ、裏技があります。(ただし多少の出費が必要ですが)
一般的にNTT東日本はビルが竣工した際、その規模や用途を予め把握し、想定されるファイバーケーブルをビルに引き込みます。(例:40芯、100芯、200芯など)
よくあるのは見込みが外れることです。
当初、それほど回線需要がないと思って40芯のPDを入れたとしましょう。
その後、フロアの一部がデータセンター用途に使われてしまい、予想外に回線需要が多く、使い切りそうになったとします。どうなるでしょうか?次のお客さんはBFLETSすら申し込みできないでしょうか?
そんなことはありません。(ただし一部例外的な問題が起こらない限りですが。後述しますが...)
もし、調査の結果、ビルのPDの光芯線に空きがないと言われたら、NTT東日本にBFLETSを一本申し込んでしまえばいいのです。
予め断っておきますが、これはBFLETSをつかってインターネットに接続するのが目的ではありません。NTT東日本に追加の光ファイバーをビルに引きこませることが目的です。
通常、NTT東日本が自社の光主体のサービス(BFLETSや他の東日本のサービス、例えば電話用のINS1500、メガデータネッツなどの光メニューでも良い、お金がかかりますが。)の発注を受けたときは、そこが余程の過疎地でなく、サービス提供エリアである限り、時間をかけても光回線を引き込んできます。ただし、以下のような問題で断られることがあります。
1)共同溝、あるいはとう道から配管に空きがない。(最近竣工したビルならこれは通常ありえません。ただし古いビルで大量のメタルケーブルがすでに引きこまれていて、本当にスペースがない場合、ビル側とあらたな通信ケーブルルートを確保するため、数ヶ月あるいは半年以上かかる場合もあるかもしれません。これは確率としてはかなり低いですが。
2)ビル側が通信事業者にスペースの利用を制限する。
例えば他の通信事業者に優先的にスペースを使わせたいために、NTT東日本の追加インフラの構築を認めない、あるいは制限する、といったことも可能性として有ります。あるいは物理的にMDF室が狭すぎて、PTやPDを設置できないという事例もありえます。
このあたりはビルオーナー側との交渉が必要です。いまどき使いたい通信サービスが引けないビルはないでしょうが、ビルによってはオーナーが競合する通信事業者だったりすると、ビル側が制限するという事も稀にあるようです。(自社のサービスを使って欲しいため)
3)幹線に空きがない
これも稀なケースですが最寄りの共同溝、あるいはマンホールまで着ている幹線ケーブルがすべて使用中という事があります。(筆者実際に経験しています)
この場合、事業者が計画をたててt、幹線道路にあらたな幹線のファイバーを引くという偉い大げさな事態になります。道路の工事許可だのなんだのやっていると軽く6ヶ月から1年はかかるかもしれません。これはあきらめなくてはならないケースです。いずれつながると思いますが長い月日が必要です。
4)国土交通省や東京都が都市開発計画に基づき、工事を制限する。
これも筆者経験あります。
都市計画がはっきりするまで(特に再開発地域周辺)工事許可が待たされるケースがあります。
5)ビルの地下のMDFに空き芯があり、NTTには申し込めるが、ビルオーナーが縦のファイバーケーブル敷設を制限する。
これもありえます。他のテナントとの兼ね合いで、特定テナントがEPSや縦系のライザースペースを使うことを嫌う。これはテナント料などのお金の問題で解決する場合もありますが、総務などのテナント契約に手を付けなくてはならず、かなり面倒なことになります。ビルオーナーを何とか説得する以外、方法はないかもしれません。
ダークファイバーのチャレンジはラストワンマイルにあると言っても過言ではないかもしれませんね。芯線に空きがないとそもそもダークファイバーは利用できませんから。
続く。
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