以前、このシリーズの書き込みで、最近は電線の地下化が進んでいるというお話をしました。
では実際に通信ケーブルはどのような経路を通って引かれているのでしょう?
これら幹線のケーブルは共同溝という設備を利用して引かれています。
共同溝のなかでも以下のようなトンネル状の構造を洞道と呼び、東京都の都道などではこれより小規模で複数の配管とハンドホールが埋め込まれている構造を略号でCC-BOXとも呼ばれています。
洞道についてはとてもよい動画がありましたので紹介します。
以下の動画は神戸新聞が取材した地下洞道の映像取材です。
洞道はいわゆる国道などの地下に掘られたトンネルのことです。東京などの大都市の地下には様々な構造物があります。地下鉄、首都高などの高速道路、ガス、熱配管、上水道、下水道のトンネル、それにこの電力、通信ケーブル用の洞道です。
特に東京の例を挙げれば都心部のほぼほとんどの主要国道や主要都道の地下にこのようなトンネルが掘られています。都心から郊外に離れていくにしたがって大きなトンネルから、いわゆるスケールダウンした複数の管路に縮小していきます。
洞道はケーブル専用のトンネルとして機能していますが、これ以外にも東京メトロの地下鉄用トンネルにも電力ケーブルや信号ケーブルと一緒に通信ケーブルが敷設されています。首都高なども同様です。
最近、都道(例:山手通り)などの拡張や、高速道路の整備に伴い、電線や通信ケーブルの地下化が進められていますが、すべてこういった洞道構造かというとそういうわけでもありません。
東京都道の歩道を歩いていると、円形のマンホールとはちょっと違った長方形の蓋を歩道に見かけた方も多いかもしれません。
東京都ではCC-BOXと呼んで、複数の配管を歩道の地下に埋設し、そこを電力や通信ケーブル通せるように施工されています。
以下はCC-BOX内部の写真です。
複数の配管が歩道、あるいは車道の下に埋め込まれ、要所要所にCC-BOXの蓋がついていて、このスペースで作業したり、分岐したり、ケーブルの繋ぎこみを行ったり、最寄りの建物に分岐したり、地下用クロージャを設置したりするスペースとして活用されています。
だいたいは近隣が一般住宅の場合、側道に向かう配管が途中で最寄り電柱で地上に引き上げられ、裏通りでは電柱から架空ケーブルとして各住宅に引き回されて居るケースが多いようです。
なお、都心部などのいわゆる都市開発や再開発地域で大きなオフィスビルやショッピングセンターなど、街全体が再開発された地域などでは、こういったCC-BOXから分岐の配管が最寄りの建物の地下室に通じていて、地上に一切ケーブルが顔を出さなくなっていることが多くなっています。
(都心部ではこのケースが殆んど)
ちなみに多くのオフィスビル(比較的大きめのオフィスビル)は電力系と通信系にそれぞれ洞道やCC-BOXからの引き込み配管を設けていますが、事業者によっては電力用配管に通信ケーブルを通したり、その他の通信ケーブル以外の用途の配管に通信ケーブルを通している場合もあります。(これは事業者の管理上の都合による)
以上、今回は地面の下を通るケーブルの敷設経路を紹介しました。
つづく
P.S. 余談ですが海外では国道などの道路以外に、パイプライン沿いにケーブルを引くということもよく行われているようです。(日本でも東京ガスなどはガス菅やガス用トンネルに沿ってケーブルを引いていますが。)日本では石油やガスのパイプラインはあまりメジャーでなく、総延長距離も短いので日本ではまジャーではありませんが。
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